2014年御翼2月号その3

過ちから学び、過ちを少なくせよ  ノーマン・V・ピール『積極的生活の技術』より

  

 真理と過ちという二つの強い力がある。これらの力は社会のなかでも、個人のなかでも、たえず互いに争っている。あなたの心が過ちで一杯である場合には、過ちが幅を利かすようになる。過ちの支配するがままにすれば、当然それはあなたに過ちを犯させるようになる。反対にあなたの心が真理で一杯である場合には、あなたは正しさによって規制される。あなたは正しいものの見方をし、過ちを少なくして、物事を正しく行うようになる。いたって単純なことである。これは聖書の一節にいみじくも表現されている。「また真理を知るであろう。そして真理はあなたがたに自由を得させるであろう」(ヨハネ8:32)。実に「真理」(キリストのあがない)こそ、過ちの心理を含むもろもろのことからあなたを解放するものである。
 私たちは自分では理解できないが、実際には自分を傷つけようとする無意識のしわざである強い衝動にかられるときもある。このような衝動は、おそらく罪悪感か、あるいは何か他の悩みから出たところの、わざと失敗しようとする気持ち、自分を罰しようとする不思議な欲望がある場合もある。あなたの生活の中でうまくいってないあらゆることに、特に神聖な考えを毎日少なくとも十五分間だけむけよう。これは祈り、信仰、それに神についてあなたの知っているあらゆることを向けることを意味する。

 

過ちを少なくするための原則
1 過ちを犯した以上は希望がない、過ちは破滅を意味する、などと悲観的に考えてはいけない。
2 過ちからできるだけのことを学びなさい。そして新しい知識をもって、過ちから遠ざかりなさい。
3 あなたの過ち癖の根本原因を心理的に見極めなさい。
4 祈りと信仰を通じて真理を取り入れることによって、あなたの心から過ちを追い出そう。
5 過去の過ちの心像をもち続けることは、過ちの再発をひき起こす恐れがある。このような心像は一刻も早く捨て去ること。

 有名なチーズ製造業者だったジェームス・ルイス・クラフト氏は、問題が起こると、自分で十分祈り足りたと思うまでその問題について祈ると言っていた。更に同氏は、自分の心の中に湧き起り、灯のようにじっとそこにとどまっているものがあれば、それが自分の祈っていた問題の解答だと信じていた。ピール牧師も幾日間か、ある問題で苦しんでいた。そこで意識的に自分の問題を神に差し出すと、閃きのように、明快な充実した解答が問題にさっと下った。それは期待していたとおりのものではなかったが、ピール師は本能的にそれが正しいものであることを知った。そして、それは全くそのとおり正しいものであることが後で分かった。

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